お笑いコンビ・オードリー若林さんの『社会人大学人見知り学部卒業見込み』という本。先日たまたまTwitterで目にして、興味が湧いたので早速購入して呼んでみました。
エッセイ形式なので2時間くらいで読めちゃうし。社会人生活も長くなって、日々忙しさに追われている人にぜひ読んでほしい内容です。
『社会人大学人見知り学部卒業見込み』のおすすめポイント
私が実際に読んでみて感じた、『社会人大学人見知り学部卒業見込み』のおすすめポイントをまとめました。
相方・春日さんの描写にグッとくる
基本的には、若林さんが、突然の大ブレイクで「社会」に放り出され、『自分の気持ち』と『周囲からの期待』の間で折り合いをつけられず、もがいている姿が描かれている本書。
ですが、たった1章だけ、相方の春日さんについて書かれている章があります。
売れなくて苦しむ若林さんに対して、売れなくても売れてからも何故か絶対的に幸せな春日さん。ブレイクしても一発屋で終わるかもと不安に追われる若林さんに対して、PSPでゲームに本気になってる春日さん。
対照的な2人を通して、幸せってなんだろう?と考えさせられます。
私の中でも特にお気に入りの章なので、ぜひ直に読んで感じてほしい!なので、これ以上は突っ込まないでおきますね。
若林さんの中二病感が懐かしい
私はあんまりテレビを見ないので、若林さんがどんな人なのかはよく知らなかったのですが、この本を読んで「こんなにヒネくれた人だったんだ!」と、驚きましたw
でも、なんだかそんな視点が、逆に懐かしくて真正直で心地いいんですよね。
- 芸能人のお宅訪問で、高級な壺が飾ってあっても「無駄だな」と思う
- スタバで「グランデ」というのが恥ずかしい
- XXXXクソくらえ
若林さんと全く同じことを感じたことがあるわけではないけれど、中学や高校時代の自分に出会ったような、とんがった斜めな自分に再会したような気分になるんです。
- みんながイイというものには、イイと言いたくない
- 素直に周りの言うことを聞きたくない
- 他人との距離感が上手くとれない
無意識にだけど、こんなことを考えてたんだよな〜なんて、過去の自分を思い出して愛おしい気持ちになる。そして同時に、若林さんまで愛おしく思えてきてしまう…。
しかもこれ、本人は明らかに無自覚なところがまた可愛いんですよね。
「自分はなんだか周りの大人とは感性が違うらしい」「上手く適合できない」と肝心がら、自分の思いを捨てきれず、かといって貫き通すこともできず…。本気でもがいている様子がうかがえるから心動かされます。
徐々に社会に適合していく若林さんの成長がおもしろい
買ってみてから知ったのですが、この本は雑誌「ダ・ヴィンチ」で若林さんが連載していたエッセイに書き下ろしを加えてまとめたものだったんですね。
数年分のエッセイが一冊にまとまっているので、その数年の中で若林さんが徐々に変化していく様子が如実に現れていて、なんだか身近な困ったちゃんな友人の成長を見守っている気分に…。←
それと同時に、「あぁ、人ってこうやって社会人になってしまうんだな…」と、ちょっと寂しくなりました。
例えば、初めは「趣味なんかいらねー」「暇なときは公園でぼーっとする」というライフスタイルだった若林さんが、最後の方のエッセイでは「趣味はゴルフ」「(きっと)公園には行ってない」ライフスタイルに変化している。
精神的にも、周囲に合わせることを覚えて、摩擦も減り、生きづらさをあまり感じなくなっていく。
私も思い出せないけれど、きっとこうやって「社会人」ってやつになっちゃったんだろうな〜。その過程で、何か大切なものも一緒に落としてしまったんじゃないかと、切なくなります。
この間、新人時代の先輩と久しぶりに再会して、「めっちゃ社会人してるじゃん!」ってびっくりされましたからね。若者のフレッシュさって、こういう『社会との摩擦』から生まれているのかもしれません。
丸くなっちまったぜ…。
『社会人大学人見知り学部卒業見込み』の気になるポイント
全体的にかなり楽しんで読ませてもらったのですが、気になったポイント…というか、買う前に知っておいて欲しいことを記しておきますね。
春日さんの話は1章(1エッセイ)しか出てこない
私が『社会人大学人見知り学部卒業見込み』に興味を持ったきっかけは、Twitterで共有されていたこの本の「春日さんに関するエッセイ」を目にしたからです。
てっきりこの本には、他にも春日さんとのお話が書かれているのかな?と期待して購入しました。
でも実際に買ってみると、春日さんが出てくるのはたったの1章だけでした。(しかもTwitterで読んでた…)期待と外れたので、ちょっぴりガッカリしたのも本音です。
なので、もしもこの本が「若林さんから見た春日さん」について書かれている本だと思っている方は、購入を考え直した方がいいかもしれません。この本は、若林さんのフレッシュな中二病感を楽しむための書籍です!←
小説や自伝ではなく、エッセイ
これも私の事前リサーチ不足で、後から知って「あれ?」と思ったことなのですが、この本の内容は雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されていた若林さんのエッセイをまとめたものです。
小説などのガッツリした読み物というよりも、様々な話題が飛び交う比較的ライトな読み物になっています。私のように「読むぜ!」と気合を入れすぎると、あっという間に読み終わって物足りなさを感じるかも…。
でも逆に言うと、忙しい方も少しずつ読み進めるのにぴったりなので、気軽に手に取ってみるといいんじゃないかなと思います!
こんな人にオススメしたい
『社会人大学人見知り学部卒業見込み』は、こんな人にオススメだと思います。!
- 忙しい毎日にちょっと疲れた会社員
- 中堅社員になってフレッシュな心をなくした人
- 元中二病の自覚がある人
- 昔は(あるいは今も)ひねくれ屋・頑固者と言われる人
- 本は読みたいけど、あんまりガッツリなのはちょっと…という人
- 若林さんが好き
それでは!